Ice Cauldron

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/12/9

Ice Cauldron

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冬に食うと尚のこと美味い、ということで鍋ウィークというテーマでやってきた。「平和なべ」ネタで《平和な心》を紹介しようかとも思ったが、ここはグッとこらえて正当な鍋カードでやってきた。最後に紹介するのは《Ice Cauldron》。冬に氷の鍋ってのもなんとも気が滅入るが、僕にとっては少々思い入れのあるカードなので、まあ話を聞いておくれや。

 

氷でできた大鍋で、それをかき混ぜるしゃもじ的なものも氷制のようだ。この中で調理されるものはやはりひんやりしているのだろうか。イラストでは鍋よりもゴブリンのようなトロールのような人物が目立ってしょうがないが、主役は端に見切れている鍋の方。したり顔で今にも鍋にネズミを落としそうな姿が印象的な1枚なのだが、さあその能力は......長い。テキストが長すぎる。ここまで小さなフォントでギュウギュウ詰めなのはこのカードぐらいなもんである(銀枠は除く)。能力がいっぱいあるとかいうわけではなく、2つなのだが...とにかくややこしい。以下にこのカードの能力を簡潔にまとめてみる。

 

Xマナ支払ってタップ、このXはどんな何マナでも良いし色も自由だが、2色土地を適当に寝かせて支払う、などということは後述の理由によりできない。それはさておき、このコストを支払うと《Ice Cauldron》の上に蓄積カウンターを多くと同時に手札から土地でないカードを1枚追放する。この追放されたカードを、あなたは唱えてもOK。その後、この能力を起動するために支払ったXの色マナの内訳とマナの量をメモなどに記録する。この能力は《Ice Cauldron》の上に蓄積カウンターが置かれていると起動不可。

 

今のところわけがわからないにも程があるが、まあ続けて2つ目の能力も聞いてくれ。

 

タップ:蓄積カウンターを1個取り除く。1つ目の能力で記録しておいたマナを参照し、それと同じ色・量のマナをマナプールに加える。このマナは《Ice Cauldron》の能力で追放された呪文を唱えるためにしか使えない。

 

...う~ん?どういうこと?と思ってしまうが、これはカードのマナコストを分割払いで支払うことが出来るようにしてくれる鍋なのだ。例えば、《世界火》を唱えたいとする。普通に唱えれば赤マナ3つを含む9マナ必要だ。《Ice Cauldron》があれば《山》×2《島》×3みたいなマナ基盤でも、Xに赤マナ2つを含む4マナ以上を支払い、一度鍋に入れた後に次のターンに引き出して土地と併せて9マナ捻出して唱えることが出来るのだ。...うん、どれだけ説明しても伝わりにくいが、カードとマナを氷漬けにして貯蔵できる、くらいに考えてもらえればなと。

 

まあ率直に言って、弱いカードである。4マナ支払ってこれを設置してからマナを貯金する、ということにどれほどの意味があるのか、あまりメリットは思いつかない。手札破壊にスタックでキーカードを逃がしつつマナを貯めておける、というのは灘悪くないかもしれないが、本体が重いのが致命的だなやっぱり。

 

僕個人の思い出としては、その能力を理解するのにマジック人生で最も時間を要したカードとしてこれからもおそらくは他のカードにその座を明け渡すことなく輝き続けることだろう。初めてこのカードを認識したのは中学生の頃だった。マジック:ザ・ギャザリングのカードカタログを眺めるのが日課だったが、アイスエイジの項にて登場するこのカードははっきり言って理解不能。カラーのカードが1ページ当たり12枚ほど掲載されており、各々の画像は小さめ。そのテキスト部分にびっしりと書かれた蟻のような文字。そのルールテキストのややこしさ...何度も解読しようとして、その度にこんなん読めるかぁ!と諦めた記憶がよみがえる。今ではネットでサクッと大きな画像や最新のテキストが確認できる。素晴らしい時代になったけども、こういった変な思い出とかは出来にくくなったのかもね。

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